インプラント
◆インプラントを諦めていた方へ
■骨移植 〜顎の骨を増やす〜
インプラントは、顎の骨に金属(チタン)を埋め込みます。埋め込む際に十分な骨がない場合には、インプラントが難しくなります。
顎の骨は、基本的に歯を支えるためにありますので、歯がなくなった場合、骨は吸収しやすくなります。結果、長期にわたり歯を失っている方のその部位の骨量は少なくなっていることが多いです。
骨の量が少ないと予想された場合は、インプラントを行なう前に、必要に応じて歯科用CTやレントゲンで検査を行ない、顎を立体的に診断し、手術の可否について決めていきます。
検査の結果、骨不足と診断された場合の方でも、骨不足を補う方法もあります。
それは、骨を他の部分から移植したり、新しい骨を作ったりする方法です。
(骨移植は基本的には専門病院への紹介となります。)
■骨移植の概要
骨移植と聞くと、少し怖いイメージを抱く方も多いかもしれません。ですが整形外科など医療の現場では、100年も前から行なわれている確立された治療法です。
歯科の分野でも、インプラントという新しい技術が発展したため、骨移植がよく行なわれるようになりました。
自己移植が主流
移植する骨は、ご自分の骨で行なうことが主流です。人工骨もありますが、安全性や生体との親和性などから、インプラントを立てることを考えると、ご自分の骨がベストです。
どこから採取するか
少量の移植で済む場合、下顎の別の場所から移植します。神経や血管の通っていない部分を選んで移植するので安全です。
多量の移植が必要な場合、腰のあたりにある腸骨という部分から移植します。
※移植した部分は、自然に骨が再生し、元に戻ります。
骨を作る誘導剤を使う場合もあります。
■移植の流れ
1.局所麻酔をします
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2.他の部分から骨を採取します
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3.採取した骨を移植し、ネジではり付けます
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4.移植した部分を膜でおおいます
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5.歯肉を縫いあわせます
■GBR(骨再生誘導法)
骨を再生させる
GBR法とは、骨を再生させる方法で、専門的には、骨再生誘導法といいます。
骨が足りなくてインプラントは難しいという方も、この方法で骨を増やせば、インプラントが使えるようになります。
よりインプラントに適した骨に
普通の骨移植に比べて、元気な骨が作られます。インプラントにさらに適した骨が得られることが、GBR法の良い点です。
治療の流れ
1.顎の骨にネジを立てます。
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2.ネジを支柱にして、膜を間にスペースを作るようにしてテント状におおいます。
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3.このスペースに骨を再生させます。
※膜の下のスペースを保つため、骨移植を行なうことが多いです。
■サイナスリフト(上顎洞底拳上術)
上顎の奥の骨が極度に薄い時に、お口の中から鼻の空洞に窓を開け、そこに骨を追加して骨を増やす方法です。
■ソケットリフト
上顎の奥の骨が薄い時に、鼻の空洞の中を持ち上げ、そこに骨を追加してインプラントを同時に埋め込む方法です。