インプラント
◆インプラントとは?
■インプラントについて
インプラントとは、歯を虫歯や歯周病、外傷などで失った場合に、骨に直接埋め込む人工の歯(人工歯根)のことを言います。
第二の天然歯ともいわれ、入れ歯では味わえない使用感が得られます。
従来は歯を失った場合、ブリッジや義歯(入れ歯)を作っていました。ところが、ブリッジについては両隣の歯を削ることにより、削りかぶせてつなげることにより歯の寿命が短くなることがあります。また、義歯(入れ歯)は、堅い物を咬むと痛みがあったり、咬む度に入れ歯が動いたりして、必ずしも快適な使用感が得られる訳ではありません。
インプラントなら入れていることを忘れるほどに快適です。
現在行われているインプラント治療は純チタンを使用しています。かつてのインプラントの表面は機械研摩してあるタイプが主流でしたが、現在では、粗造な表面構造で骨との結合(オッセオインテグレーション)が得やすくなり、治療期間が以前に比べ短くなるケースが増えてきました。
欧米では1965年9月、ブローネマルク博士は初めて人間にインプラント埋入を行いました。
それから約42年。日本でもインプラントの治療が始まってから20年以上が経過し、症例も増え、技術も格段に進歩しました。
現在、インプラントは決して特殊な治療方法ではなくなりました。
当院では、ブローネマルクシステム(世界でもっとも実績のあるインプラント)を扱っているノーベルバイオケア社のインプラントを使用しています。
■歯が抜けたらインプラントは早いほうがよい?
歯が抜けてしまった場合、周りの歯はその隙間を埋めようと少しずつ移動していきます。
周りの歯が移動しないうちに人工の歯を入れることは、歯並びを守ることにもなります。
残念なことに歯を抜かれる場合はその後のことを歯科医院でご相談されると良いでしょう。
その際、インプラントは既存の天然歯に劣らぬ咬み心地をもたらしてくれるので大きな候補になるはずです。
■インプラントの構造
@インプラント体(フィクスチャー)
歯の根っこにあたる部分で、顎の骨にこの部分を埋入します。
Aアバットメント
インプラント体と歯にあたる部分をつなぐためのもので、差し歯の治療をする時の土台の歯にあたります。
B上部構造(人工の歯)
歯にあたる部分で、いわゆる差し歯と同じものです。
■どんな場合にインプラントが向いているの?
歯を失ってしまった場合、それを補うさまざまな選択肢があります。
インプラントをしたいけど、本当に自分にむいているの?などと、疑問に思っている方も多いことでしょう。
どのような場合がインプラントをした方が良いのか、ご自分にあてはめてみて下さい。
@差し歯(ブリッジ)にするために、隣の歯を削りたくない
A入れ歯と差し歯の素材にアレルギーがある(金属アレルギーなど)
B差し歯や入れ歯では、見た目が良くならない
C入れ歯が、よく動く、外れる、噛めない
D入れ歯をいれると、違和感、痛みがある
E入れ歯をいれると、吐きそうになる
F入れ歯をいれると、発音しづらい
G入れ歯をいれると、味が変わる
H入れ歯を支える顎の土手の吸収が激しい
■どんな場合にインプラントが難しいの?
このように、インプラントをした方が良い場合でも、すること自体が難しいことがあります。
@顎の骨の不足
(患者さまの体から骨を移植することにより可能です。専門病院への紹介となります。)
A全身的な健康状態
(高血圧、糖尿病など)
Bチタンアレルギー
(他の金属に比べ、非常にまれと言われます。)
C歯ぎしり・食いしばりが激しい
(マウスピースを就寝時に装着してもらいます。)
D口の中の手入れが悪い
(ハブラシ指導をします。インプラント治療後定期的に検診とクリーニングを行います。)
Eヘビースモーカーの方
(血管が収縮するため血のめぐりが悪くなることがあります。)
当歯科医院では、インプラントをご希望される場合でも、ご自身の健康を考えたうえで、やむをえなく他の治療法をおすすめすることもありますし、場合によってはお断りすることもございます。
インプラント治療はお時間がかかる治療です。患者さまの健康状態やライフスタイルでもインプラントの成否は変わりますので、メリットとデメリットをしっかりとご理解いただいてから治療に入ることが重要です。
顎の骨の量が少なく、かつて断られた経験を持つ方でも、技術の向上により、骨を移植して、再生する方法が確立されています。ぜひご相談ください。
また、全身的な病気がある方でも、十分にコントロールされていれば、インプラントを選択することも可能です。
当歯科医院では、問診、検査、診断、説明のうえ、患者さまと一緒に治療法を選んでいきます。
■インプラントと全身の病気
インプラントをご希望されても、諸条件により、やむをえずお断りする場合があります。
歯科治療も患者さまの全身的な健康があってこそのものです。
まずは、医科への通院状況などご相談下さい。
もし、インプラントが使えない場合にも、一緒になって考え、他の治療法で何ができるかなどをご提案させて頂きます。
・インプラントの難しい全身の病気例
@1型糖尿病
A骨粗しょう症
B循環器疾患
C肝疾患
D呼吸器疾患
E腎疾患
Fリウマチ
G血液疾患
H甲状腺機能障害
I免疫不全
J精神疾患
Kチタンアレルギー
Kホルモン療法や放射線治療を受けている方